kenny0808’s diary

小学校教員の日記。作文・読書教育。つくり手になる学びを探究する。

作家の時間〜詩のあれこれ〜

つっこむカンファラン

 詩の専門家ではないボクが、子どもたちの詩をどうカンファランスしていくのか。最初は「伝えたいことをそのまま書けばいいんでしょ?」と考えていた。けれど、さまざまな詩に関する書籍を手にとるうちに、分かってきたことは、「伝えたいことをそのまま書く」は詩を描く第一段階であるということ。言い換えれば「下書き」だ。大切なのはここから。その下書きのあとに、言葉を取捨選択したり、様々なレトリックを用いたりして、詩を磨き上げていく。この部分をミニレッスンで取り上げて、カンファランスのアドバイスに生かしていく。作家でいうと「修正」だ。そこで、参考にしている本がこれ。金井直さんの著書だ。(金井さんの本はあすこまさんのブログで紹介されている)

詩をつくろう (4年生)

詩をつくろう (4年生)

  • メディア: 単行本
 

(ボクが購入したのは2年生のシリーズ。Amazonではもう取り扱いされていなかった…。)

[読書]詩人が手加減なしで小学生の詩を批評。金井直「詩をつくろう◯年生」シリーズ | あすこまっ!

(金井さんの本について知るには、断然あすこまさんの記事の方がよいです。ボクの書き方はほんと薄っぺらい)

 

 さて、金井さんの本には児童詩が掲載されており、それぞれの詩に金井さんのアドバイスが記されている。そのアドバイスが結構真っ直ぐなもので、「これは表現としておかしい」「この言葉は余計だからいらない」「これはこの言葉を足した方がよい」と容赦なく、子どもたちの詩を切っている。子どもたちが目をキラキラさせながら、「できたよ!」と持ってきた詩に対して、自分は金井さんのようにはできないなーと思いながら、当初は読んでいた。でも、手直しされた詩はどれも、「伝えたいこと」が失われず、それがより輝きを増して浮かび上がってくるような仕上がりになっていた。「カンファランスでダメ出しをするときは必ず提案がセットである事が条件」ナンシーの言葉が頭に浮かんだ。

 

1月の作家ジャンルは「詩」金井さんの本で紹介された詩を用いながら、①言葉をけずる②言葉を選ぶ③比喩表現④伝えたいことをはっきりさせるの4つをミニレッスンした。その他は、個人やグループカンファランスになるから、子どもたちの作品に合わせてアドバイス。金井さんのアドバイスで一番面白かったのは「楽しかった」と「またいきたい」「またやりたい」とストレートに書くなというもの。それなら、「あっという間の2日間だった」「夢中になって書き続けていた」など、別の表現で喜びを伝えようと提案だ。多少誇張してもよいから、詩に彩りを与えていく。これが今のカンファランスで意識していることかな。「この言葉はけずろう」って真っ直ぐに伝えている。もちろん、最後にどうするか決めるのは子どもたちだけどね。

 

「一番伝えたいことは何?」その問いを頼りに、言葉を削ったり、言い換えたり、補ったり…子どもたちにとってどうだろうか。

 

「どんな言葉を選べば、あなたの伝えたいことが読書に伝わるかな?」

「先生はこう思うけど、あなたらどうする?」

 

こちらにしても言葉を選ぶが大切。ただの添削で終わってしまっては、一般的な作文指導と変わらない。自己選択・自己決定を作家のサイクルにのせていく。こんなイメージかな。