kenny0808’s diary

小学校教員の日記。作文・読書教育。つくり手になる学びを探究する。

カンファランス①地の文について

 作家時間は文集づくりへ。完成した原稿から印刷を始めて、文集ファイルにストックしていく。全員分がたまったところで、全ての作品をファイルから抜き出し、表紙をつけて文集とする流れだ。冬休みに入るまでに完成させたいな。

 カンファランスやミニレッスンのバランスが少しずつとれるようになってきた。というのは、子どもたちのニーズや困り感をカンファランスや作家会議でくみ取り、ミニレッスンに活かす流れができてきたからだ。とある場所では、主人公のつくりかた、そのまたちがう所では情景描写について・・・など、子どもたち一人一人にレクチャーすることが異なる。それがとても楽しいし、もっと勉強しなくちゃって思う。そこで、その時々の作家の時間で起きた出来事を、echoではなく、授業記録としてブログに残しておこうと思う。これまでとこれからと、自分が実践してきたことをていねいに記録していきたい。

 

 物語文をつくる児童Aとの会話。Aは、ジュースや消しゴムを主人公にして、擬人法を用いたお話を書くことが得意だ。題名も「ジュースからの目線」「けしゴムからの目線」と、とてもユーモアのある感じで、読者が手に取りたくなるような工夫がされている。今日は地の文について、カンファランスとレクチャーを行った。Aの地の文は、読者に話しかけるような語り口調で書かれていた。しかし、その地の文が途中から~「した」「です」と敬体に変わっていて、せっかくの語り口調の調子が中途半端になってしまっていた。そこで、Aと「モチモチの木」「きみはしっている」の地の文を見ながら、地の文の書かれ方のちがいを確認することにした。

 

A:先生、修正お願いできますか?

私:OK!(作品を読む)

私:地の文の書き方がいいね。これはジュースがお話している感じ?

A:うん。ジュースが話している。

私:おうー。いいね。人間以外のものを人間のようにえがく方法だ。これ、擬人法っていう作家の技なんだよ。地の文の書き方が、読んでいる人が話かけられている感じで楽しく読めそう!あれ?ここからは、「~した」「です」みたいに、ていねいな調子に変わっているね。

A:あ、ほんとだ!

私:地の文ってさ、いろいろな書き方があるんだよ。国語の教科書を出してごらん。

A:(モチモチの木のページを開く)

私:モチモチの木の語り手ってどんな感じ?

A:なんか、ずっと豆太のことを知っている感じ。少しえらそう笑

私:なるほどなるほど。少しえらそうな感じがするかな笑 

  桃太郎なら「昔昔あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。」って感じの書き方で、話かけているというよりは説明している感じだよね。地の文にはね、いろいろな書き方があるんだよ。

A:あ、話しかけている感じなら、「きみはしっている」もそう?

私:そうそう!あの作品の地の文は、まさに読者に話かけている感じがするよね。Aさんの書いている地の文と同じだ。話かけている感じがすると、読む人も物語に入り込める。さて、作品の話にもどるけど、もう少しここの地の文を膨らまして書くといいなって思う。「ぼくは消しゴム」のあとに「君たちはボクの子と知っているよね?」とかさ。もっと話かける感じを出してもいいかも。あと、途中で「地の文」の調子が変わっているから、そこは整えた方がいいかな?

A:うーん・・・ちょっと書き方かえてみる!「きみはしっている」と同じ感じがいいかな。ありがとうございました!